死刑制度とは何か、日本の刑罰の種類を解説


死刑とは、罪を犯した者の生命を奪う刑です。
刑事施設内で絞首して執行すると法律上定められていて、日本では絞首刑だけが認められています。
外国では行われている「電気いす」や薬剤の注射による処刑などは認められていません。

死刑という刑の内容は、受刑者からその生命を奪うことに尽きるのですが、死刑執行までの間、執行に備えて、死刑の言渡しを受けた者は死刑施設に収容されることになっています。
刑の執行は、一般に検察官が指揮することになっていますが、死刑の執行は、一旦執行すると取り返しがつかないものであるため、とくに法務大臣の命令で行うことになっているのです。
この命令は、判決が確定した日から6ヶ月以内に行わなければならないと定められています。
こうしたこともあり、実際には、死刑の言渡しを受けながら、執行がなされずに長期間刑事施設に収容されるという現象がみられることになっています。
なお、法務大臣が死刑の執行を命じたときは、5日以内に執行が行われます。


人の生命はかけがえのないものですから、国が人の生命を奪うという死刑制度自体に対しては、反対の意見が主張されてきました。
また、ヨーロッパを中心に死刑を廃止した国も数多くあります。
死刑制度を在置しているアメリカでも、ニュージャージー州は2007年12月に死刑を廃止しています。

しかし、日本では憲法自体が、人の生命を奪われることがあることを予想、想定しています。
このようなこともあり、最高裁判所は、死刑は憲法が禁止する「残虐な刑罰」には当たらず、憲法違反ではないと判断しています。

こうして、死刑は憲法違反ではないとされているのですが、死刑を維持・在置するか、それとも廃止するかは、刑事立法法政策上の重要な問題だといえます。
近年、死刑判決の数が増えていますが、これは重大犯罪に対する態度が裁判所の判決に反映したものと考えられます。


日本の刑罰の種類

刑罰が何かは刑法で定められています。
刑法9条では、刑罰として、「死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料、没収」が定められています。
なお、このほかに、罰金や科料を完全に納めることができない場合に、それに換わる刑として「労役場留置」が定められていますし、また、没収ができなくなった場合に、犯罪で不正に得た利益を犯人に残さないため、没収に換わる刑として「追徴」が定められています。

これが日本における刑罰のすべてです。
日本には、これら以外の刑罰は認められておらず、存在していません。
これらの刑罰は、罪を犯して刑を受ける者の生命や自由、財産を害することをその内容としています。
この意味で、日本では現在、生命刑として死刑、自由刑として「懲役、禁固、拘留」、財産刑として「罰金、科料、没収」、だけが認められているのです。
つまり、鞭打ちや手の切断というように、身体を傷つけ、害することを内容とする形は、日本では認められていないわけです。

どのような種類の刑罰を定めることが許され、どんな種類の刑罰が許されていないかについて、日本の憲法は「残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」という制限を定めています。

最高裁判所は、火あぶり、はり付け、さらし首、釜ゆでなどは残虐な刑罰に当たるが、死刑それ自体は残虐な刑罰に当たるとはいえないとしています。
そうだとしても、生命刑としての死刑は、最も重い刑罰ですから、現在、重大な犯罪に対する刑としてごく限られた範囲で認められているにすぎません。
今日の社会では、人の自由や財産の価値が大変重要ですから、自由刑や財産刑が刑罰として十分な重みと威嚇力をもつようになっているのです。


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