右心不全、左心不全の原因とは、症状や治療方法について


心不全の定義

多様な原因で心臓の収縮力が低下して、身体の各組織に十分な血液を送れなくなった状態を心不全といいます。
その際には、静脈系に血液が停滞するうっ血を伴いことが多く、心不全といえばうっ血性心不全を指すことが多くなっています。


心不全の病態

成人では心臓は1回の収縮で60ml、1分間に3~4l、を超す血液を全身に循環させますが、その間に心拍動は休むことがありません。
そのため心臓にかかる負担を軽減させるために種々な調節機能が働いています。
その調節機能には心房性ナトリウム利尿ホルモン、エンドセリンなどの循環ペプチドホルモンの分泌、レニンーアンジオテンシン系の活性化、交換神経活動の亢進などがあります。
過度の心負荷が持続して調節機序が破綻し、循環能を維持できなくなった状態が心不全であり、すべての心疾患の最終的な病態です。

心不全は心臓のポンプ機能から、障害が主として左心側にある左心不全と右心側にある右心不全に分けることができます。

左心不全は左心室の拡張と心筋の収縮不全により、身体が必要とするだけの血液を送り出せなくなり、左心房内圧、肺静脈圧、肺毛細血管圧が上昇し、呼吸困難、起坐呼吸、発作性夜間呼吸困難、心臓性喘息に発展します。
ほとんどの心不全は左室収縮不全です。
起坐呼吸とは、横にならず上半身を起こし努力して行う呼吸のことです。

右心不全は、すでに右心臓に血液が残留し、新たに静脈血を十分受け取れなくり、大静脈系のうっ血が生じるものです。
右心不全の典型的な症状は、浮腫と消化管系のうっ血による食欲不振などの消火器症状の出現です。
左心不全がなければ呼吸困難は現れません。
しかし、右心不全のほとんどは慢性左心不全に引き続き起きるのが普通です。

そして、両心不全は、左、右心不全の症状が同時に現れる状態で、心不全末期の症状です。


症状

心不全には原因となる虚血性心疾患、心筋症、心弁膜症、心筋炎などの基礎疾患があり、それぞれの疾患によって症状とその程度が異なります。
臨床症状や経過から、急性心不全と慢性心不全に分けることができます。

急性心不全は、急激な心臓ポンプ機能低下によって起こるものです。
代償機転が及ばず、臓器組織の酸素需要に応じた血液供給ができない状態となり、適切な救急措置が行われないと死亡する頻度が高いのです。
症状は心原性ショックによる心拍出力低下、肺うっ血が主体で、顕著な呼吸困難、起坐呼吸、ピンク色の痰、精神的に不安定になる不穏状態、顔色不良、四肢冷感、手足の指、爪、唇などが紫色になるチアノーゼ、意識低下などが特徴です。

慢性心不全は、慢性に経過し徐々に心臓ポンプ機能が低下します。
症状の現れ方に大きな開きがあり、うっ血や末梢機能障害を伴わず日常はほとんど症状がない例や、循環不全症状を強く示して身体活動のまったくできない重症例まであり、その症状は多彩です。
それぞれの基礎疾患によって症状の差はありあすが、運動の耐容能力の低下、強い疲労感、労作時の呼吸困難、体重増加、浮腫、頸静脈の拡張、肝臓腫大、乏尿などが主な症状です。

治療

急性心不全の原則は、入院してCCU管理を行います。
全身状態の掌握、静脈への輸液路の覚悟、酸素吸入、電解質異常と血液pHの補正、Swan-Ganzカテーテルの留置で肺動脈圧や心拍出量の把握、気道の確保と呼吸の管理下で開園をはかります。
利尿薬、強心薬、血管拡張薬などの薬剤投与は症状に応じて使用します。

慢性心不全は、高血圧症、虚血性心疾患、弁膜症、心筋症など原因疾患を明らかにして、それぞれの治療を行います。
日常生活の中では、まず安静保持が必要になります。
感染症、エネルギー摂取量、食塩や水分の過剰摂取、過剰な運動負荷量などの増悪因子を除去するように努め、症状に応じた患者の生活に十分配慮します。


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