認知症とは、診断基準と原因、症状について


認知症とは生まれてから正常に発達した種々の精神機能が、あるときから減退、消失したことで日常生活、社会生活を営めない状態をいいます。
よく痴呆症、老人ボケなどと言われたりもします。
ただし、認知症は通常ゆっくりと進行し、進行度合いによって日常生活、社会生活への影響度が高くなっていきます。
また、後天的な機能障害ですので、精神遅滞(知的障害)とは異なります。
ただ、病気とは違い、基本的に治療によって症状がなくなることはありません。
治療は基本的に症状の進行を遅らせるために行われます。

物忘れを主訴として病院を受診するケースがありますが、そのようなケースとして代表的な疾患が認知症です。

認知症に似たような症状をもつ疾患としては、せん妄などの意識障害、幻覚妄想状態、うつ病などがあります。


認知症の診断基準

今日、認知症の診断に最も用いられる診断基準のひとつがアメリカ精神医学会による「DSM-ⅳ」です。
その内容は下記


A.以下の2項目からなる認知症障害が認められていること

1.記憶障害

2.以下のうち1つあるいは複数の認知障害が認められること

①.失語
②.失行(運動機能が損なわれていないにもかかわらず、動作を遂行できない)
③.失語
④.実行機能(計画を立てる、組織立てる、順序立てる抽象化する)の障害

B.上記のA1、A2の記憶障害、認知障害により社会生活上あるいは職業上あきらかに支障をきたしており、以前の水準から著しく低下していること

C.上記の記憶障害、認知障害はせん妄の経過中のみに起こるものではないこと


この診断基準によると、アルツハイマー型認知症では、記憶障害に加えて、失語・失行・失認・実行機能障害の認知障害が1つ以上ります。

また、血管障害が原因となる認知症では、基本となる診断基準は、アルツハイマー型と同じですが、脳の障害による発語障害や、歩行障害、筋力低下、抑うつ気分など様々な神経症候を伴います。

認知症の原因疾患としては、アルツハイマー型が一番多いとされていますが、そのほかにも様々な疾患が認知症の原因になっています。
ちなみにアルツハイマー型は全体の35%ほど、アルツハイマーと血管性の混合型が15%程度、レビー小体型が15%程度、血管性が10%程度、前頭側葉変性症が5%程度となっています。

日本では、1980年代まで血管性が最多とされていましたが、血圧管理や食生活の改善により減っていき、現在はアルツハイマー型が一番多くなっています。


認知症と加齢

認知症の最大の危険因子は加齢です。
65~69歳での有病率は1.5%ですが、以後5歳ごとに倍ずつ増加し、85歳だと25%に達するとされています。

認知症の精神症状・行動異常

認知症に伴う行動異常障害と精神症状をBPSDと呼びます。
BPSDは、介護する側にとって、記憶など認知機能の障害よりも、実に大変な苦痛をもたらす症状です。
このBPSDの問題で、多くの家族が医療機関への受診を決心されるといわれます。

具体的には、暴言・暴力、徘徊・行方不明、妄想などがあります。
多くは当事者の前で家族が口にするのは憚られるような内容です。
こうした問題は少しずつ姿を変えながらも数ヶ月から数年にわたって続きます。

また、レビー小体型認知症に見られる睡眠時に異常行動があったり、幻視などのように、本人自らが苦痛を訴えることもあります。


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